肺炎球菌ワクチンについて

肺炎球菌ワクチンについてのアップデート(2025年10月)

■ 肺炎は高齢になるほど重症化しやすい病気で、その原因として多いのが「肺炎球菌」です。肺炎球菌ワクチンは、肺炎の予防や重症化を防ぐために重要なワクチンです。

■ 新しい肺炎球菌ワクチンが登場し、ワクチンの接種方法が改定されました。

定期接種について

■ 現在、肺炎球菌ワクチンは定期接種の対象となっており、接種費用の補助があります。

■ 定期接種で使用されるワクチンは「ニューモバックスNP」という23価ワクチンで、約100種類ある肺炎球菌の血清型のうち、特に頻度の高い23種類をカバーしています。

■ 定期接種の対象は
 ・65歳になった方
 ・60〜64歳で、日常生活が極度に制限される基礎疾患を持つ方
で、過去にニューモバックスを接種したことのない方です。

■ 札幌市では接種料金(自己負担額)は4,400円です。自費で接種した場合、当院では税込み8,800円ですので、定期接種は約半額で受けられます。

ワクチンの効果

■ ニューモバックスの効果は、
 ・「すべての肺炎球菌による肺炎」を27.4%減らす
 ・「ワクチンがカバーする23種類の肺炎球菌による肺炎」を33.5%減らす
ことが報告されています。

■ また、肺炎全体による入院のリスクも減らすことが分かっています。

重い感染症(侵襲性肺炎球菌感染症)について

■ 肺炎球菌は、まれに血液や髄液に入り込む「侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)」を起こすことがあります。

■ 侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)は致死率が20%前後とされる重篤な感染症ですが、ニューモバックスは、ワクチンに含まれる型によるIPDを40%程度減らすとされています。

肺炎球菌ワクチンの接種方法の改定

■ ニューモバックスは肺炎球菌の型を広くカバーしている一方、持続期間は5年程度と考えられてきました。そのため、これまでは5年後にニューモバックス再接種(任意接種)が検討されていました。

■ しかし、2025年9月に日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会の合同委員会が公表した「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版)」では、
 ・ニューモバックス接種後、1年以上あけて、プレベナー20またはキャップバックスを接種すること
が推奨され、ニューモバックスの再接種は推奨されなくなりました。

■ 現在、国の審議会において、令和8年4月以降の定期接種ワクチンを、現行のニューモバックスからプレベナー20などへ変更することが検討されています。

キャップバックス・プレベナー20について

■ 「キャップバックス」は肺炎球菌の21の血清型をカバーするワクチン、「プレベナー20」は20の血清型をカバーするワクチンです。

■ これらは「結合型ワクチン」と呼ばれ、
 ・免疫の記憶が形成される
 ・原則1回の接種で長期効果が期待できる
という特徴があります。

■ ニューモバックスをすでに接種した方でも、1年以上空ければキャップバックスまたはプレベナー20を追加接種でき、その後の再接種が不要になる点が大きなメリットです。

まとめ

■ 65歳を迎えた方や、基礎疾患のある方にとって、肺炎球菌ワクチンは命を守るための大切な予防手段です。接種時期やワクチンの種類については、お気軽に当院までご相談ください。