肺炎球菌ワクチンについて

肺炎球菌ワクチンについてのアップデート(2026年5月)

■ 肺炎は高齢になるほど重症化しやすい病気です。その原因として特に多いのが「肺炎球菌」です。肺炎球菌ワクチンは、肺炎の予防や重症化を防ぐために重要なワクチンです。

■ 新しい肺炎球菌ワクチンが登場し、ワクチンの接種方法が改定されました。

定期接種ワクチンが変更になりました

■ 現在、肺炎球菌ワクチンは定期接種の対象となっており、接種費用の補助があります。

■ 定期接種の対象は
 ・65歳になった方
 ・60〜64歳で、日常生活が極度に制限される基礎疾患を持つ方
で、肺炎球菌ワクチン定期接種を受けたことのない方です。

■ 2026年4月から、新しい「プレベナー20(20価肺炎球菌結合型ワクチン)」が定期接種で使用されるようになりました。

■ 札幌市では接種料金(自己負担額)は7,200円です。自費で接種した場合、当院では同じワクチンが税込み12,000円になりますので、定期接種は4割引きで受けられます。

プレベナー20とは

■ 肺炎の原因となりやすい20種類の肺炎球菌に対応した新しいワクチンです。

■ これまで使用されていた「ニューモバックスNP」は、肺炎球菌の莢膜多糖を用いた「多糖体ワクチン」で、主としてB細胞を介した抗体による免疫を誘導します。23種類の型を広くカバーする一方、免疫の記憶は作られにくく、効果が徐々に低下するため、5年以上経過した場合に再接種が検討されていました。

■ 一方、プレベナー20は、肺炎球菌の莢膜多糖をキャリアタンパクに結合させたワクチンで、ヘルパーT細胞を介した免疫を誘導することで、免疫の記憶をつくります。そのため、
・免疫の記憶を作るため長期効果が期待できる
・高齢者でも良好な免疫効果が期待できる
・原則として繰り返し接種を前提としない
という点が利点とされています。

■ 日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会の合同委員会では、高齢者の肺炎球菌ワクチンとしてプレベナー20が推奨されています。

重い感染症(侵襲性肺炎球菌感染症)について

■ 肺炎球菌は、まれに血液や髄液に入り込む「侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)」を起こすことがあります。

■ 侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)は致死率が20%前後とされる重篤な感染症ですが、肺炎球菌ワクチンは、こうした重症感染症を防ぐ効果も期待されています。

もう一つの新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス」

■ 「キャップバックス」は肺炎球菌の21種類の血清型をカバーするワクチンです。

■ 「プレベナー20」と同様、「結合型ワクチン」に分類され、長期の免疫効果が期待されます。

■ 現在定期接種として使用することはできませんが、自費での任意接種として使用できます。

過去にニューモバックスを接種した方

■ 過去にニューモバックスを接種された方は、接種から一定期間が経過していれば、「プレベナー20」または「キャップバックス」の追加接種が検討される場合があります。詳しくはご相談ください。

まとめ

■ 65歳を迎えた方や、基礎疾患のある方にとって、肺炎球菌ワクチンは重症肺炎や入院を防ぐための大切な予防手段です。接種時期やワクチンの種類については、お気軽に当院までご相談ください。