睡眠時無呼吸症候群(SAS)と CPAP治療
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
■ 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり、浅くなったりする病気です。
■ 最も多いのは、のどの奥の空気の通り道(気道)が狭くなったり、ふさがったりして起こる「閉塞性SAS(OSA)」です。あごが小さい、舌が大きい、扁桃腺が大きい、肥満などが関係します。
■ OSA以外には、脳の呼吸中枢からの呼吸命令が一時的に出なくなることで呼吸が止まる「中枢性SAS(CSA)」があります。また、中枢性と閉塞性の両方の特徴を持つ無呼吸がみられることもあります。中枢性SASは心不全、心房細動、脳卒中、腎不全などの病気に伴って起こることがあります。
■ 睡眠中に呼吸が妨げられると、血液中の酸素が低下したり、眠りが浅くなったりするため、十分に寝たつもりでも疲れが残ることがあります。
どんな症状がありますか?
- 大きないびき、いびきが急に止まる
- 睡眠中に息が止まる、むせる、息苦しくて目が覚める
- 日中の強い眠気、居眠り、集中力・記憶力の低下
- 朝起きたときの頭痛、口やのどの渇き
- 夜間に何度もトイレに起きる、熟睡感がない、疲れやすい
放置するとどうなりますか?
■ 睡眠中の低酸素や睡眠の分断が続くと、日中の眠気や集中力の低下だけでなく、高血圧、不整脈、心臓病、脳卒中などの病気と関連することが知られています。
■ また、強い眠気によって交通事故や仕事中の事故につながる危険性もあります。
どのような検査をしますか?
問診や診察でSASが疑われる場合、睡眠中の呼吸や酸素の状態を調べます。
- 簡易ポリソムノグラフィー:自宅で小型の装置をご自身で装着し、睡眠中の呼吸の状態や血液中の酸素の低下などを調べます。
- 精密ポリソムノグラフィー:呼吸や血液中の酸素に加えて、脳波、眼球運動、筋電図、心電図などを記録し、睡眠の状態を詳しく調べます。医療機関で行うほか、自宅で実施できる場合もあります。
- 検査費用(3割負担の場合):簡易検査(自宅で実施)は2,160円、精密検査は自宅で実施する場合6,000円、医療機関で実施する場合10,710~14,280円です (検査料のみの目安です。診察料、判断料、また入院の場合は入院費用などが別途かかります)。

■ 検査では、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI:無呼吸低呼吸指数)などを確認します。
■ 一般に、閉塞性SASでは、AHIが5以上(1時間あたり無呼吸や低呼吸が5回以上)で、日中の眠気などの症状や関連する病気がある場合、またはAHIが15以上の場合などに、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
■ なお、簡易検査では、測定方法によって実際の睡眠時間ではなく記録時間をもとに評価するため、精密検査のAHIとは数値が異なる場合があります。
| AHI(1時間あたり) | 一般的な重症度の目安 |
|---|---|
| 5以上、15未満 | 軽症 |
| 15以上、30未満 | 中等症 |
| 30以上 | 重症 |
治療
■ 睡眠時無呼吸症候群の治療には、CPAP(持続陽圧呼吸療法)や口腔内装置(マウスピース)などがあります。
■ CPAPは、中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する標準的な治療法です。
■ 2026年6月からの保険診療では、精密検査でAHIが15以上、または簡易検査でAHIが30以上で、その他の要件も満たす場合に、CPAP治療が保険適用となります。実際の治療方針は、症状や検査結果などを踏まえて判断します。
■ 軽症から中等症の患者さんなどには、下あごを前方に移動させて気道を広げる口腔内装置(マウスピース)による治療もあります。
■ 肥満が関係している場合には、減量が勧められます。体重を減らすことで、睡眠時無呼吸症候群が改善することがあります。
CPAP(シーパップ)治療とは?
■ CPAPは、鼻または鼻と口を覆うマスクから空気を送り、気道がつぶれないよう内側から支える治療です。睡眠中の無呼吸・低呼吸や酸素低下を減らし、睡眠の質を改善することを目指します。
■ CPAP治療で期待できること
◯ 睡眠中の無呼吸・低呼吸や酸素低下を減らす
◯ いびきや夜間の息苦しさを軽くする
◯ 日中の眠気、起床時の頭痛、疲労感などを軽くする
◯ 血圧や心血管系への負担を軽減することが期待できる
※効果の感じ方には個人差があります。

参考情報
- 日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」 https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/i/i-05.html
- 日本呼吸器学会「CPAP(シーパップ)とはどのような治療法ですか?」 https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q30.html

